リセールバック®とは?

「追及権(artists resale right)」とは著作権の権利の一つで、絵画や彫刻を作るアーティストがすでに販売した自らの作品が転売されるごとに、作品の売価の一部を得ることが出来る権利の事です。
印税のように複製されたことにより得るものではありません。作品そのものを販売して作品の所有権が移っても著作権は移らず著作者にあり、著作権の保護期間の間、販売が行われるたびに連続して売価の一部を徴収できる権利です。(国によって徴収率は異なる)
例えばアーティストが駆け出しの無名時代に10万円で売った作品が5年後に1,000万円で転売された場合(※業者による二次市場において)転売益の数%(国によって異なる、フランスの1957年法で3%)が著作者であるアーティストに支払われるというものです。
日本では現在、著作権法の中で「追及権」を採用していませんが、世界約90か国にこの制度が存在していて、今後日本においても導入されなければ、日本の著作権者(アーティスト)は不利な状況に置かれ、相互主義により国内だけではなく国外においても利益を得る機会を奪われてしまい、「追及権」の恩恵を受けることは出来ません。
「追及権」のない日本において作品そのものを売って収入を得る画家や彫刻家などのアーティストは、著作権法による保護は不十分で、複製をして報酬を得る機会は少なく、オークションなどによって作品の価格が上昇し、高額で転売されても一切収入を得ることは出来ません。
1920年フランスにおいてアーティストのための一つの財産的権利として、これまで作品を売ってしまったら収入の道がほとんどなかったアーティストにとって非常にありがたい権利が生まれました。著作権の保護期間の間、販売が行われるたびに販売額の一部を徴収できる「追及権」が誕生したのです。
1948年にベルヌ条約(著作権の国際条約)、2001年にEU全体で一斉導入(欧州指令)され、日本はこのベルヌ条約の加盟国ですが、「追及権」に関しては日本の著作権法の中で採用されていません。
様々な諸事情や諸問題はありますが、世界に誇れる日本の文化である素晴らしい感性を世界へ、国際化世界で日本に「追及権」が早期に採用されて、若手アーティストが保護され国内外で活躍し、文化的にもより豊かになる日が来ることを応援しています。
アートに境界はないはずで、国籍により著作権の保護範囲が異なることなく、アーティストの経済的利益の保証と美術品取引市場が発展することを期待しています。

リセールバック

さて、株式会社TSインターナショナルは、不動産の買取再販事業にこの「追及権」をモデルとした弊社のビジネスモデルを商標として『リセールバック®』としました。
※「追及権(Resale Right)」と「還元(Cash Back)」 の造語で、日本国内において株式会社TSインターナショナルの登録商標です。(36類) 商標登録第6766570号 令和5年12月27日登録

『リセールバック®』とは、不動産の買取再販事業において買取後の再販事業の転売益に対して一定の還元をすることを条件に買取させていただくものです。

『早期に売却、後で還元』リセールバック®の買取再販手法を商標登録し、弊社のブランド化して、不動産流通市場の活性化と社会貢献につなげられたらと考えています。
不動産売却においては所有権(有体物、譲渡可能)移転となるので、本来の「追及権(無体物、譲渡不能)」と異なり、転売益に対して一度きりの還元とはなりますが、所有権移転後に一定の還元があるので、相場より多少安く買い取られてもご理解いただけるかと思います。
業者買取という選択肢がより選びやすくなり、早期に不動産売却が可能となるので、住み替えがスムーズになります。中古住宅市場の流通が活性化し、不動産の資産価値を損なわない取引が実現可能になると考えています。

現在の日本経済においては、循環経済(サーキュラーエコノミー)への転換を目指しています。環境に優しく、限られた資源を回収、再資源化、再利用しまたはシェアリングして、資源を循環させて有効利用し、経済と環境を両立させるビジネスモデルへの移行が課題となっています。
日本の不動産市場は、人口減少社会において国内需要の縮小、高齢化に伴う消費量の縮小、可処分所得の減少の影響を受けています。
また大相続時代に発生する不要な相続不動産と増え続ける空き家問題など、国内マーケットの縮小は余儀なくされていて、今後は新築住宅の供給を減らし、価格面も含め、メンテナンスをして長く使うという考え方が求められ、既存の中古住宅市場がより注目されます。

『リセールバック®』で、住み替えはスピーディー、スムーズに。

取引の活性化、活発な「住み替え」を促進する手法が有効で、既存ストックの再生・流通の鍵になると思われます。日本国内の不動産取引においてリセールバック®のビジネスモデルが普及し、中古住宅市場の流通がより活性化するよう期待しています。
リセールバック®の詳細については、「不動産×アート」の可能性にチャレンジする株式会社TSインターナショナルへお気軽にお問い合わせください。

2023.10.23  2024.1.2追記
株式会社TSインターナショナル 代表取締役 杉田俊之